正しい者に富を、悪い者に破滅を与える石 スヤマンタカ

こんにちは。

今回紹介するのは、インド神話に登場する宝石、スヤマンタカです。

これは心の清らかな人が持てば富を招き、汚れた人が持てば災厄を招くと言わるれ宝石です。ダイヤモンドともルビーとも言われていますが、今回は後述の理由で、ダイヤモンドとして紹介します。

スヤマンタカの最初の持ち主は、太陽神スーリヤでした。

この神様はスヤマンタカを首から下げていましたが、宝石自体、まるで太陽のように光り輝いていたそうです。

そのまま神様が持っていた方が良かったのかもしれませんが、そうはなりませんでした。

ある時、スーリヤを信奉するサトラジート王が自分の信じる神様に会い、功徳への報酬として宝石を求めました。そこでスーリヤはサトラジート王にスヤマンタカを渡し、輝く宝石をめぐる物語が幕を開けます。

スヤマンタカの光は地上に降りても消えることはなく、サトラジート王がそれを身に着けて人々の前に現れると、太陽神が現れたと勘違いされるほどでした。

しかしただ一人、ヴィシュヌ神の化身とされるクリシュナだけは、それが宝石を付けたサトラジート王だと気づいたそうです。

その後、スヤマンタカはサトラジート王から彼の弟へと譲られました。

弟はそれを付けて森へ狩りに出かけますが、そこで会ったライオンに殺されてしまいます。

ライオンはスヤマンタカを咥えて持ち去ろうとしますが、クマの王ジャンバヴァンに殺され、スヤマンタカはジャンバヴァンの物になりました。

一方そのころ人間の街では、弟王が森から帰ってこないので、スヤマンタカを狙う人間に殺されたのではないかと噂が立ち、クリシュナが犯人ではないかと囁かれました。

弟を失い、悲しみに沈むサトラジート王もクリシュナを疑い、クリシュナは自らの潔白を証明するため、村人の一団を率いて森へ入りました。

一行はライオンに食い殺された弟王の死体を見つけ、さらにジャンバヴァンが住む洞窟へたどり着きました。

クリシュナは冤罪を晴らすため、スヤマンタカを返してほしいと頼みますが、ジャンバヴァンは聞きません。そこで戦いになり、24日に及ぶ激闘の末、ジャンバヴァンはクリシュナが神の化身であることに気づき、スヤマンタカを返して赦しを乞いました。

こうしてクリシュナは無事にスヤマンタカを取り戻して冤罪を晴らし、サトラジート王はお詫びに王女のサティアバーマ姫をめとらせ、2人は末永く幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし

……では終わりませんでした。

スヤマンタカはサトラジート王の元に戻りましたが、これを欲しがった人間が宮殿に忍び込み、王を殺してスヤマンタカを奪い、逃走したのです。

それを見てしまったサティアバーマ姫はクリシュナに父の敵を討ってほしいと頼み、クリシュナは犯人を見つけ出すと、円盤状の投擲武器で首をはねて殺しました。

心の清らかな者には財宝を与え、汚れた者には災厄をもたらすと言われた宝石、スヤマンタカ。でも実際には、これを持った人は皆破滅していきました。

そこから、後代には持ち主に災厄をもたらす呪われたダイヤモンド、コ・イ・ヌールと同一視されるようになったそうです。

果たしてこの石を持つにふさわしい人間なんているのでしょうか。

※写真はコ・イ・ヌールではありません。


こちらからご購入できます。

もちろんスヤマンタカでもコ・イ・ヌールでもありません。


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